K・Kとスティーブンについて語ってみる。2015/05/15

 K・Kとスティーブン。
 これにクラウスを加えて絵柄を構成すると、ああ社殿と狛犬的な…でなかったら本堂と仁王像的な…もしくは本尊と脇侍的な…、と3つも例を挙げんでええわという伝統的な二等辺三角形構図を思うわけです。
 クラウスの守護者としてワンセット。
 大体似てるんですよ、何がって。
 まずもって外見からして堅気じゃないことかな……。
 へらへら笑っててもスーツの襟元から刺青のちらつく顔に傷のある男と、眼帯であの派手な赤コート(下はヘソ出しホットパンツ)の女ですよ。現実の少なくとも日本国内に居たらまず人が近寄らない。
 クラウスのお供はスティーブンでなかったらK・Kですから、実力もおそらくは互角。
 そして9巻の「BRATATAT MOM」を参照にしますと、K・Kは言うまでもなく最強バックアップの姉御様として突入チームのおじさん方に絶大な支持を得ておりますが、スティーブンだって若いもんが助けに入ろうとして止められてますから、兄貴として男モテする方なのだろうと推察できます。
 と言うか、「不参加は認めないがリモコン参加はギリギリアリ」という正直それでいいのかという甘い作戦案が通ってしまうこと自体が、日頃のK・Kとスティーブンが強行突入班の皆様に頼りにされ、かつ大事にされてるって証拠と考えます。お前等が言って不具合の責任持つなら仕方ない、という。

 で、スティーブンとK・Kと言うと避けて通れないのが「何でそんなにスティーブンが嫌いなんだK・K」という話。
 まず考えられるのが、ごくごく普通に「外見的な好みが合わない」。K・Kが好みのタイプってハマーにしろ夫であるユキトシさんにしろ、華奢な訳じゃないけれどこう優しげな、おそらくK・Kの基準で言えば守ってあげたくなる保護欲くすぐられるタイプ。
 要するに、好きなのは柴犬であってジャーマンシェパードではない。

 それからまあ推察に過ぎませんが、スティーブンとK・Kはつきあいも長そうなので、スティーブンの黒歴史(これもはっきり書いてあるわけじゃないですが)についていくらか把握している可能性も高いかなと。
 元ヤンのお前がスーツでニコニコしているなど片腹痛いという。

 もう少し根拠の挙げられる線で行くと、これかな。2巻「BLOOD LINE FEVER」の「男同士の慣れ合いって超やだ。アタシ蚊帳の外だから」。
 クラウス含めて3人でいるとして、男2人がアイコンタクトだけで会話してたらそりゃ嫌だよな。んで変なとこで女子に対する遠慮とか礼儀とか持ち出されたら尚更嫌だよな。
 わざわざお前は女のうちに入らないとか言われるのも嫌みを感じるけれど、自分の能力的に何の問題もないところで性別を理由に外されるのはもっと嫌だろう。
 とするとレディ扱いしときながら異界ギリギリの危険地帯へ随行させるクラウスの扱いがベストってことですね。やだ旦那把握が完璧過ぎてつらい。
 でだ。
 K・Kとスティーブンの一番似ているだろう性質のうち、似ているからこそ相性の悪くなる部分というのが、兄貴肌と姉御肌、つまり保護されるよりしたい方、という性質だと考えます。
 物理的な意味ではどちらもが互いの保護者であるという両立が成立しない。
 先に守る側へ立っちゃった方が勝ちだとすれば、K・Kがずいぶん負け越してる可能性があります。戦闘シーンじっくり見ると、スティーブン案外突っ込む人の盾に使える技がK・Kに比して多彩なんで。
 近〜中距離で攻守に優れたオールラウンダーとか、状況に応じてK・K以前にクラウスのサポート万全じゃないですか。戦闘中までアンダーボスとして万能かスティーブン。
 勝ち越してる側から見れば何のストレスも感じないけど、負け越しの側から見たらそれはとてもムカつくことでしょう。しかも保護するされるの関係は、前述の女扱いによる疎外感と非常に結びつきやすいので尚の事ムカつくことでしょう。
 スティーブンにとってはいつものように動いているだけで、無意識だろうところが余計に火に油。

 で、スティーブンにとってはK・Kは実力に信用がおけて、性格に裏表がなくて、ついでに言えば既婚で旦那さん大好きな上にスティーブンが嫌いだから恋愛関係のトラブルに発展する危険性が全くない、あらゆる意味で安心で信頼できる相手なんだろうなあと考えるわけです。
 完全に甘えていると見た。
 背中を預けてるつもりと、前に立たれているようにしか見えないという、ここんとこのすれ違いが全てな気がします。

 まあ、正直「本当に思ったことしか言わない」というのが伴侶のお墨付きであるK・Kが、本当に心底嫌いな相手と一緒に行動できるとは思えないので。
 ついでに言えば、罵ったところでスティーブンが深刻に気にすることがあり得ないということも分かっていると思うので。
 スティーブンが実力者であるということと、誰もやりたがらない(当然K・Kもやりたくない)ような仕事もきっちりこなせるところ(だから腹黒いの何のと言うんでしょう)に一定以上の評価があるといいな。後者の方はむしろ心配する方かもしれない。
 それはそれで甘えの形とも見えなくもないですね。

 それなり腐れ縁的ないいコンビなんじゃないでしょうか。
 甘ったれの弟が一人前面してんのを苦々しく思うけど、心配がないわけではないお姉ちゃんだと思えば納得がいく気がします。

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