「劇場版TIGER&BUNNY The Rising」感想文:その32014/02/28

 まさかの感想文3枚目。
 いい加減くどいような気もしますが、改めて注意喚起。
 ネタバレですよー。


 さて虎徹さん。NEXT能力なしでの動きを考えると十分超人じゃねーの、といういつものツッコミをまず入れる。
 でも例によってその超人的な素質のくせに、何故そんな些細なところへ引っかかる……。と言わずにいられないのも虎徹さん。視野が狭いという欠点はハンドレッドパワーの持つもうひとつの素質なんですか、と私は聞きたい。
「困った人を助けたい」という虎徹さんの正義の在り方が、二部リーグではでは本当に「見える範囲でしか助けられないけどよしとする」てとこまで縮小されてるような気がする。
 順応性が高いとも言えるんですが、そこは順応しちゃあかんとこやで、ていうところから全力で目を背けて強がっている辺りが辛い。ヒーローとしての在り方みたいな話になると、話をろくに聞かないで畳みますものね。
 例えばバニーの言う「金の問題」が単にギャラではなくプロジェクト予算の問題、ていうのは考えればわかりそうなことな訳で(裏を返せばギャラについて気にしてるのは虎徹さんだってことです……)。
 でも、虎徹さんがどーにかならんと、思わぬ所へ影響が出るんだな、て映画見てて思いました。
 牛の大迷走。
 ポイントランキングが最下位とか、引退してもおかしくない最ベテランになったとか、そういうこと以前にロペスちゃん現場での振る舞いは虎徹さんを基準点に置いてたんだな……としみじみ感じました。
 所属は違ってもある意味バディ。ついてく目印を見失ったとしか思えない。
 そもそも引退したヒーローが今どうしてるか、という話、今まで見てるの解説のステルスソルジャーさんだけだもんね。基本的には人知れず隠居……できたら幸せ、てことなんでしょうか。ヒーローアカデミーの教官もありなのかな?
 予備役的なシニアリーグなり、専門職の斡旋なり、今までなかったモデルを作っていく必要もありそう。
 そこら辺を虎徹さんが頑張らないと何だか迷い牛がこの先大変哀れなことになりそうな、気がする。
 いやむしろそこで頑張るべきはアニエスさんなのか。
 ……アニエスさん何気に重度のヒーローマニア疑惑が、映画見ているうちに生じましてね……。あとなんのかんの言ってタイガーと長い付き合いの信頼関係はやっぱりちょっとおいしいですね……。

 それから勿論バニー。
 バニーの不器用さと真面目さ、頑固さがひときわ目立つ感じでようございましたね、今回。
 終盤に入るまで、印象が妙に薄いんですよ。出てきても黙っているとか言葉が足りてないとか表情が上の空な感じ。後から思えばずっと考えていたんだろうなあ、って感じです。
 両親のことも、ヒーローに復帰したことも、多分自分の望んだはずの所と少しずつずれていて、でもそのずれをきちんと表現するどころか把握することもできてないから、その正体をずーっと探していたんじゃないかなと。
 マーベリックが死んでも両親は帰ってこない。ヒーローに復帰しても二部ヒーローでの活動は理念的に不満はないけど「コレジャナイ」的な気分があったんじゃないかと。勿論一部リーグに戻ってからも。
 自分なりのヒーローの存在意義と正義の意味を、自分で獲得する為に一生懸命考えていたバニーを思うと感慨深い。虎徹さんに聞くのでもなく、虎徹さんにただただついていくのでもなく、自分のヒーロー像を作る気になったんだなぁと。
 やっと、やっと自立したかバニー!
 思えば今回お姫様抱っこがない。後ろから追いつく形でないとできないんですよね。上から引っ張り上げるという形はバニーが対等な位置に立つということの暗示だと嬉しいな。
「あなたを救うためにあなたを止める」
 おれはそのかっこよさを……待っていた……!正直テレビシリーズ第2クール中ずっと待っていた……!
 また、虎徹さんがね。
 バニーの意見を受け入れて、1分間の使いどころと使い方を考えるようになりましたっていうのが……!
 この対等な立場があってこその「バディアクション」ですよ!
 そんな訳であのラスボス戦軽くテンションMAXで燃えさせていただきました。
 ちょっとだけ、シューティングゲームみたいなよくわかるCG画面だとも思いましたが満足です。全ヒーローの波状攻撃からグッドラックモードのカタルシス!

 ただ、壁と成長を描かれているヒーロー連とは別口に、もしかしてあなたも迷走中かと言いたい人が約1名。
 ルナ先生が安定のルナ先生のようでいて、どこかおかしいなと。
 ルナ先生がヒーローシステムの正義を否定するのは、ヒーローで居続けられなかったお父さんに対する恨みと、そんな父にヒーローを辞めさせてくれなかった、そして父殺しを罰してもくれなかったマーベリックに対する不信感から来てますから、マーベリックを殺した時点で復讐というのはおかしいけど便宜上復讐というか目的は完遂してるはずです。
 新たにヒーローシステムの主となったシュナイダーが恣意的なシステム運用をするのに改めて失望した、というのもあるんでしょう。でもどこか目的を見失って、今までの行動規範を通すのに精一杯になっているように見えるのです。
 マーベリックを殺したことについて、その後の社会だけでなく自分自身も何一つ変わらなくて、どうすればいいか迷っているんじゃないかと。そしてバニーちゃんはその迷いを自分で越えましたけど、ルナ先生は今回虎徹さんに丸投げしましたからね……。
 歪みが大きくなってきたというか、今ものすごく不安定なんじゃないのか。何しろルナ先生の正義は冤罪1回やった時点で正当性の崩れる脆いものです。証拠や証言を捏造できた能力者マーベリックの存在は、正直怖い。
 実を言うと私、ルナ先生の父殺しの現場にマーベリックがいるということ自体、今考えるとおかしいなーと思っておりましてですね。
 ──記憶操作能力って、「自分は加害者だ」と刷り込むこともできますよね?
 そもそものきっかけとなったトラウマが冤罪だったら、これ救いようがないことになるなと。
 今回の映画では何ともないけどすごく不安。

 そんな訳で、エンディングの後の話に思いを馳せることができる、楽しい映画でした。
 あー、ほんとこの続きでないかな……。気になる所が多過ぎて。

 というところで話が終わればええのですが。
 席を立った瞬間、一緒に行った黒さんに向かっての私の第一声が「……嫁?」だったことは申し上げておきます。
「今市民の皆様に祝福されて新たな門出を迎えたお二人に温かな拍手を的な?」
 という趣旨のことも言いました。
「おっとその続きは映画館を出てからだ」と止められる位にはアレでしたが、結局異論は出ませんでした。
 はいはい末爆末爆以外の感想が出ないコンビ再結成シーンもどうなんだ。
 以上を持ちまして感想文、終了でございます。ご清聴ありがとうございました。

「劇場版TIGER&BUNNY The Rising」感想文:その22014/02/28

 さて。
 一度切ると続きが書きにくい、という定番の停滞失礼しました。
 えーとどこまで書いたんだっけ、あぁそうライアンはちょっと背景含めて考えるとかっこいいぞ、という話でしたっけ。

 じゃ、続き!
 そろそろストーリーの、裏側に流れている気配の話とかしたいので、容赦なくネタバレますよー。
 大事なことなのでもう一度言います、ネタバレですよー。

 いいですね、じゃあ始めます。
 映画見ながらあぁ、こういう気配がたまらん……とワクワクしてたのが、「今までのやり方ではうまくいかない」ということが色々なところで形を変えて提示されていくこと。
 うまくいかない、ということがダメになっていく予兆ではなく、その壁をクリアした先に希望がある、という感じで……まぁ、そんで今回の作中で提出された課題の中で実際に解決を見ている部分はとても少ないので、結果として前回の感想文で上げた「続編第1クールまとめ」という印象になり、私「第2クール」を待つ気分で一杯なのですが。
 でも飛躍の為に身を屈めている様というのはそれだけで見ていてわくわくするものなので、今回が最終話と言われてもそれはそれでいいのかもしれないなぁ。

 今までのやり方ではうまくいかない、という限界を感じるところとしてはまずはヒーローシステム自体。
 前回ライアンに絡めてその裾野の広がりについて語りましたが、その広がった裾野故の問題がちらほらします。
 ひとつは、ヒーローTVの独立性。
 つまり、ヒーローTVが親会社のアポロンメディア社からの干渉を受けるようなことでは困るのですね。現行の組織図ではシュナイダーの職権濫用を防ぐ手だてがないんです。現場で言ってもプロデューサーが無双できる現状というのは……今、アニエスさんが有能で視聴率以外の私心がないから結果オーライですが、プロデューサーが替わったら実はシュナイダーみたいな人だったとしたらこれまた困る訳ですよ。
 インフラとなって、影響力も大きくなったからこそ、個人の裁量で質が左右される運用をされるのはまずいということです。
 次の問題としては、ヒーロー予備軍となる志望者と引退したヒーローがこれから増えていく……というか、事実増えてる筈なんですが、受け皿となる組織が無いんですね。
 二部リーグは、うまく機能すれば若手の育成とベテランの収容先になるんですが、やはり無理があるからこそ不採算事業扱いになってしまうんです。
 どこら辺が無理があるかというと、まず市内全域で起こる軽犯罪全てをカバーするには人数が少なすぎるだろうこと。助けられる範囲がかなり限定されるのでヒーローが来るか来ないかは運任せになりますし、警察との線引きも難しくなってくるはずです。頼りになる身近なヒーローとして人気を上げるのは難しいのではないかと。
 そして7大企業の独占である1部リーグに比して、どこの企業の所属なのか書かれ方が曖昧だということ。映画の中では全員アポロンメディア所属だったのかな?だとすると7大企業間でのバランスも疑問が出てくるところです。
 この辺の問題を解決するためにはどうしたって二部リーグの使える予算が不足。ヒーロー姿のまんまで町中ランチ、という様子は普通に休憩とって食べる暇も無く仕事続きなのか、二部リーグヒーローの為の施設が全くないのか、微妙なところです。
 アニエスの様子や虎徹さんの馴染み具合を考えると、昔二部リーグに近い何かはやってた可能性が大だとは思うのですが、続いてはいなかったんですもんね……。
 あとの問題は、ポイントランキングシステム。これはしょうがないと言えばしょうがないんですが、どうしたって虎徹さんみたいな数値化できないところでの功績が異様にでかい、その上市民に愛され信頼されているけど改めてのカード購入やファン投票数に繋がらない、というイレギュラーなヒーローは評価のしようがないんです。
 このシステムを構築したマーベリックさんはやっぱり評価されるべきと思うけど、その上をいくシステムに作り替えていかなきゃいけないんだろうなぁ。
 というお前シュテルンビルド市民じゃないだろう、ということを考えるのが好き、です。相手は二次元ですわかってます。

 で、ヒーロー個々人の抱えた壁をそれぞれ出していきつつ、その壁との葛藤を主人公2人以外は基本的にネイサンに絞るというのは見事なシナリオだなぁと私思います。
 やろうとしている、やりたいと思っていることと現実にできていることの違いという葛藤において一番わかりやすく、かつシリアスな図式はそりゃオカマに違いない。回想の中にある、悩み多き年頃とおぼしき女装ネイサンのかわいらしさを思うと、長身の男性であるという現実はとても辛いものでありましょう。
 その、過去のトラウマから立ち直ってくるきっかけを作るキャラがパオリンというのもまた、らしい。
 パオリンは熱血なようで非常にクールというか、敢えて空気読まない系というか、こういうときに同情や共感を挟まないんですね。ネイサンを好きで、尊敬してて、だから馬鹿にされたら怒る。その瞬間にネイサンの苦悩へ思いを寄せて泣くようなことはしない、自分の視点しかないというこのシンプルな強さ。男前。
 同情して欲しい訳じゃないですからね、ネイサン。男で女のネイサンをそのまま認めて敬意を示すというパオリンが王子すぎてたまらない。

 そしてパオリンとは対照的に、仲間の一々に細やかな気遣いを見せるカリーナの優しさが、これまたいい。
 出動してポイントを稼ぐよりネイサンの炎に付き添ってやり、楓ちゃんの相談に乗って虎徹さんに喝を入れ、すっかり一人前のプロフェッショナルヒーローになった姿が麗しいです……!
 あれだ、将来的に虎徹さんのポジション継ぐのもしかしてカリーナなんじゃないの。ある意味虎徹さんの直弟子だもんなぁカリーナ。
 ……楓ちゃんが電話をかけた時点で「いよぉぉぉし!」と心中叫んだ私は薔薇虎推奨派。
 楓ちゃんが母似ということに異論はないんですが、しかし憧れの人の前で慌てて、かつ往生際悪く身繕いする様子やら「やっぱいいわー……」と瞳を煌めかせる様子など見ていると、十分父親似だと思います。むしろより一層似てきた。
 ついでに言えば村正お兄さんがこれまたかっこええので私うれしい。

 タイバニコンビについてまで入れると長くなるのでまた一度切りまーす。

「劇場版TIGER&BUNNY The Rising」感想文:その12014/02/20

 タイバニRising行ってきました。
 ほぼ、事前情報入れずに行きました。ので入口の人形で見るロックバイソンが既に牛角さんでないことに衝撃を受ける。メインスポンサー変更に戸惑っている内に本編が始まり、迷走するバイソンさんに……そっと涙する。誰か助けてあげて。スポンサーはむしろ増えてるのに何ですかあの崖っぷちぶりは!
 で、見終わった後から振り返るとするならば。
 そうねえ、まずやっぱり女の子は軒並み可愛くなったなぁと!
 今思えばTVシリーズは本当に幼かったのだなぁということがはっきりわかるパオリンの心身共に著しい成長。そろそろランドセルに違和感の生じる楓ちゃんについてもそうですね。ちょっとした仕草の端々がお父さんに似てきよった……!
 そして楓ちゃんの相談に乗ってやれる、そして虎徹さんにびしっと言ってやれるブルーローズの、ヒーローとしての精神的成長たいへんうれしいですおいしかったごちそうさま。

 話としては、「TVシリーズ続編第1クールまとめ」という印象。タイトルは「Rising」だけど実際Riseするのはこの後だな、ていう気がする。この後の話を感じさせるだけに、高揚感の残る話でしたし何より映画ならではの気合いの入った美しい画面を堪能してきました。
 楽しかった!

 以上、さらっとした感想で言えばこんなところですか。
 さて、ここからは「あくまで個人の感想です」「ディープなネタバレを思い切り含みます」という警告をおいてから盛大に掘り下げますよ。
 いいですね、私気合いを入れて指パキパキ慣らしながら書きますからね。パンフ買い忘れてますし本屋や雑誌記事の検索もしていないので、ちょっと的外れになる恐れもあるんですが、そこら辺は追々修正します。

 じゃぁいきますよー。

 と気合いを入れたところで何から語るか。
 そうだなぁ、ライアン君の話から入りますか。
 見た目は派手だし、そこそこ大口叩きの「さすらいの重力王子」。別エリアで活動しているヒーローで、成績低迷の虎徹さんに代わりバニーちゃんとコンビを組まされるべくシュテルンビルドへやってきた……という、その状況にあるキャラクターにしては至極真っ当な、気のいいあんちゃんであり、そして話の最後にはまた「海の向こうの大富豪からのオファー」に応えてどっか行っちゃうという、見終わった時の印象では「捉えどころのない人」でした。
 バニーと打ち解けるまではいかないものの、他のヒーローと揉めることもなく、ラスボス戦を一緒に戦って、その後再結成の方向が明らかなタイガー&バーナビーの近くから逃げるような勢いで街を出て行ってしまう訳で。
 かと言って、非常にご都合な感じで入れられたキャラクターにありがちな薄っぺらさがあるかって言うと、そうでも無い。
 これきりのキャラにしちゃぁもったいないけど、でも「じゃぁ居続ける人だと思った?」というと、「まぁ出て行く人ですよね」と納得できる。
 それ何ぞ……と考えてみて、ふと連想したのが各国政府観光局のPRCM。何でだか、それで納得できた気がしました。
 そうか、この人はヒーロー以前に世界中を渡り歩く旅がしたいのだな、と。バックパッカーよりはいい環境で、街から街へ動いていたいのだなあと。
 だとすれば、正式にシュテルンビルドのヒーローシステムに組み込まれて他の土地へ動けなくなる前に慌てて離脱した、という様子も納得できます。うっかりトリオヒーローになっちゃうと契約内容が変わってきちゃうのでしょう。
 おそらく最初から短期契約、具体的にはバニーちゃんが虎徹さんを諦めて独りでやってく肚を固めるまで。……そういう二重三重の仕掛けでかからないと虎徹さんから切り離せないと判断されるバニーのこの頑固さよ……。お前本当に面倒くさい……。

 さて、状況をそうだと整理すれば、旅人ライアンの稼業がヒーローだ、というのは面白いな、と思います。
 NEXTであるライアンが自分の故郷から離れて、馴染みの無い土地へ行くのに「職業:ヒーロー」を選ぶのはそれが一番都合がいいからでしょう。要するに犯罪者ではない、と明示することができて、それなりに稼ぎになり、短期滞在にしても整った生活環境を得ることが出来るのでは。
 ヒーロー稼業で世界中を回っていける、という前提はヒーローシステムを導入する自治体がシュテルンビルド市以外にも増えている(少なくともヒーローという職業の定義とイメージが定着している)、ということですから、シュテルンビルド市の外、という作中世界の空間的な広がりを感じることが出来ます。
 直接書かれていない部分への想像をこうして広げていけるのは、続編ならではの楽しみでうれしい。
 そしてNEXT能力者がその土地土地で働きながら旅をして回るのに、ヒーローでなければ都合が悪い部分があるのならば、NEXTはどこの街でも理不尽な疑いをかけられやすく、生き辛い歴史を抱えていたのではないかと推察することもできます。
 ライアンの揉めることもしないが特に馴染む様子も無い、ていうマイペースの加減は生来の個性だけでなく、商売上の都合や危機管理でもあるんでしょうなぁ。
 街を守るヒーロー、というのはその地域に対する愛着をイメージの基礎に持つでしょうから余所者は入りにくいところも多いはずです。犯罪への関与を疑われたり、その土地のヒーローの敵役としてのオファーを持ち込まれたり、普通のヒーローとは違う苦労もしてきたでしょうね。
 その上で改めてライアンのさばさばしつつ気のいいあんちゃん、という性分を見直すと、ああ強いなあ、頼もしくてかっこいいなあと思えるのです。
 ヒーロー!

 さてこの後も長くなりそうなので一旦はここまで。

お名残タイバニ感想文追加!2011/09/25

 最終話放映から1週間。そう言えば思い出した語り忘れとかなんとかちょっとじみじみ書きますよ。

1:ロペスちゃんのこと。
 お前ロペスはどーなんだ萌えないのか的なことも言われたのですが、いや可愛いんだけどさロペス。萌えるとまではいかんのですよ。
 年だって若いとは言えない筈だし、ファイヤーいいオシリだし、いい奴だし、萌えどころはあるはずなんだけど。
 だから考えてみたんですがね。
 ………あのさ。
 言いにくいんだけどロペスちゃんよろずにあっさり風味じゃん……?おじさんもう少し濃い味の方が好きなんだわ。
 おかんキャラならもっと傍迷惑なレベルにパワフルな方がいいし(軍曹とか北原さんとか)、ドジっ子としても親友としても常識人としてのレベルも、普通、というかソツが無さ過ぎるというか。
 だがしかし傍迷惑なパワフル加減とか力一杯なドジ加減を精一杯に追加すると、虎徹かキースかと被るんだわ。そしてアントニオまで目一杯疲れるタイプだと作品としてかなり暑苦しいことになる訳で、だからロペスちゃんはあれでいいんだけど順位は下がるなと。
 どうもそういうことのようです。


2:おじさんの回復力について。
 24話。そう、直後にバニーチャーハンがすっ飛んで来たので話題に取り上げる隙がなくなったのであるが。
 おじさん、バニーが初めて「虎徹さん」と呼んでくれたときには嬉しくて「思わずひとりで飲みに行った」って言った?
 …………。
 記憶に間違いが無ければ、バニーが初めて「虎徹さん」と呼んだのは13話、ジェイク戦の直後である。
 その前の日にはICUに担ぎ込まれる怪我をして、午前中には起き上がろうとしてベッドの上でのたうち回ってたあの傷で、飲みに行った……だと?
 初めて呼んだのが他の日だと考えるのは、13話における虎徹の喜びようからして無理がある。
 ハンドレッドパワーによる治癒効果は無いと、13話直後に脚本担当西田さんのブログで否定されていたはずである。
 ……ヒーローを収容する以上それなりのセキュリティレベルがあると思われる病院が日に2度の同一患者による脱走を許すとは思えない。
 そもそも酒というのは不思議なもので、通常飲めるコンディションじゃないときには美味しく頂けない。頂こうという気にすらならない。
 ということは正当に回復して飲みに行ったと考えるのが通常だと思われる。
 前の日ICUで、午前中は起きられない傷が、夜には回復したと。

 そして25話である。
 あの涙見せながらの死亡イベント台詞が全部演技だとすると、「冗談は時と場合と相手を選べ」としか言えない最低レベルであるけれど、まぁその線も捨てがたいのだけれど(おじさんだけにな!)。
 でも食らったのはジャスティスタワーが目から怪光線になってしまう強力兵器ですよ。恐らく直撃弾ではなくかすっただけでも斎藤さんのスーツが体正面全壊する、その威力は嘘ではない。
 だとすれば熱傷の他、結構な衝撃で床に叩き付けられたはずである。痛くて動けないというのも頷ける。
 そもそも何でも無かったのであれば、養殖海老もといH−01が大量出現した際に楓ちゃんを放ったらかしという事態が考えられない。
 ならば、確かにあの時間帯ブラックアウトはしていたものとする方が自然である。
 しかし起きてくる早々マベさんをぶちのめし、その後の様子はもう検査入院さえ必要ないんじゃないのという通常営業っぷりである。むしろ残機まだあったのかHPフルゲージだねというレベルの元気よさである。
 ブラックアウトしていた数分の間に回復した……だと……?
 地獄から帰ってくるにも程がある。

 ちょっとこれは「体が丈夫」「元気が取り柄」の域を大幅に超えている。
 しかし思い出せば8話でルナ先生から食らった傷は9話でもまだ治ってなくて、むしろそれでも人より治りは早い方という扱いを受けていた。そしてその点について異論はない。それが普通の感覚ですよねうんうん。
 ………9話から13話までの間に何があった。
 それ新しい能力か何かですか。それともすごく不味い果物でも食って今カナヅチなんですか。青い火の鳥に変身できたりするんですか。
「脈とかちゃんと確認したのかよ!」という返しに実はちょっと惚れたのであるけれど、それでも仮に脈も呼吸も実は止まってたと言われても不思議じゃない。

 マベさんのヒールっぷりについても語りたかったんだけど、とりあえず一時中断!

25話感想文2011/09/18

 さて泣いても笑っても最終回。
 というか放送開始前に軽く7万人を超えるユースト視聴者と、Aパートの前回復習部分で既に妙な笑いがこぼれる始末。
 絶対死ぬ気ねえだろ虎徹と思ってたけど。

 笑いを常に忘れないタイバニの脚本はとてもよいと思います。

 ちょっと予想の斜め上をいくあっさり加減というか。
 後で思い出したら腹立ってきた!って言われても仕方ない感じですよあれは。そのピンピンしてる具合から考えたらお前死亡イベントっぽい台詞全部演技じゃねえか。
 受けを狙うと滑る方、虎徹です!というフレーズが頭をよぎりました。
 いっそボコられるとよいと思います。主に楓ちゃん(ハンドレッドパワーコピー中)に。
 ついでに言えば一番かっこ良く役に立ったのは斎藤さんだし……。さすがエレクトロニクスの妖精斎藤さん。この万能兵器!台詞も一々惚れるわぁぁ。
 あとはアニエスか。
 ……マベも可哀想に、記憶改竄すごく苦労するのに解除は映像通じて見ただけでも有効なのか。割に合わねえ能力だなぁ!

 ルナ先生も必ず来るとは思ってたけど、もう少し早く来てもよろしいのではないか。
 でもよく考えたらあれより前に登場する為には、会議をぶっちぎった上に手負いとはいえヒーロー全員を相手にしなければならないんですね。海老にやられた傷口まだ痛いしね!
 そのちょっとセコいやクレバーな頭脳が素敵です先生。ヒーローと違って1人仕事だもん、辛いよね……!

 虎徹ちゃん能力減退しっぱなしだと、2期どうなるんだろうなぁ。
 2部リーグのまま、てことは無いと思うんですよね……思いたいんですよねと言い換えてもいい。
 バニーは相変わらず5分持つんだし。
 おじさんどうすんだろ、新能力かなー。でなかったら1分から10分まで発動時間がランダムになるようになりました、とか……。
 どの道1部ヒーローでなんとかなりそうになった瞬間のおっさんのウザさを思うとワクワクする。

 おじさんが辞めるなら僕も辞める、おじさんが戻るなら何で声かけてくれてくれなかったんですか僕も戻りますよ、と書くと付き合いいいなと言うより濡れ落ち葉とか金魚のンコとかそれ的なものに見えてしまう相方は、本当に2期もう少しかっこよくしてもらえるといいね……。顔以外にいいとこなかったもんな……。最終的に。
 チャーハン作ってる場合じゃないだろう。結局作ったのか不明だけど。

 ちょっとラストバトルはバニーとマベのタイマンだったらいいなと夢見てたなんて言えるか今更。
 バニーだってひとりで出来る子なんですよというところが見たかったんだよぉぉ。

 大概妄想加減が激しいと定評のある方わたしです。
 妙に受けの良かったチャーハン話もあれ、当たり前のことを普通に書いてただけのつもりだったんだ……!

 色々言いたいこととか始めると止まらないけど。
 でも、やっぱり面白かったなあ。