血界戦線アニメについて2015/04/25

 久しぶりにアニメをうれしく見ることになりました、「血界戦線」。
 原作、何故か近所の図書館に1巻〜4巻だけ入っていたのでそこまでは読んでいたのですが、あとは未読でした。残りをダッシュで買いに行って、在庫切れに何度もぶち当たる程度には盛り上がっています。残るは9巻だけです。あーあ、置き場所もないのに。

 で、現在までの1〜3話。
 うん、絵が綺麗なのはやっぱりうれしい。そして声がついて、原作読んでいるときとはまた違ったイメージが加算されるのも楽しい。
 声優さんに詳しくない私でも名前が分かる人=ベテランの人がゴロゴロしてるってのは素人耳にも贅沢な仕上がりですし、耳に贅沢と言えばOP、EDもですしサントラも欲しい。

 原作からアニメへのシナリオの作り方は、まあ、うん。
 難しい所、ですよね……。
 原作では大体1話60ページですが、1ページ当たりの情報量は決して少なくないので(特にアクション部分)、全部入れて30分枠で納まるかと言うと多分、無理なんですよね。
 とすると、どのシーンを生かすか切るか、秒単位の取捨選択があることを察するのは難しくありません。アクション部分は、私の考えでは「そこを削って何の血界アニメ化」という部分なので要に据えられているのはよくわかる。ことにブレングリード流は派手さが命。
 ならどこを削るかって言えば、説明部分なんですよね………。
 流れがぎこちなくなっちゃうところが、やはり否めないと言えば否めない。
 なら原作で説明が行き届いているかっていうと、案外台詞やト書き1行2行の有る無しの違いくらいの話だったりするんですけどね……。気がつくまでに2回位読み返さなきゃいけなかったりもしてるんですけどね……。
 アクションの部分ではむしろ誰がどう動いてこうなる、ていうことの説明が原作以上に行き届いてる感じなので、そこら辺のバランス考えていると一長一短という言葉しか浮ばない。
 放送時間(とおそらく制作時間)にレーティングの問題もクリアして原作の完全再現を行った例ではヘルシングがありますが、あれはOVAだからできることであって、週1放送のTVアニメじゃ無理だという事例も同じヘルシングTV版で証明できるという皮肉。
 全体で考えると頑張ってる方だと思うのですが、その頑張りが隠せてないということでもあります。
 がんばれ……!

 ただ、そんなこんなで制約条件のある各種資源を重点的に配分されたアクションシーンは有無をいわせぬ説得力です。
 だから満足でいえば1〜3話の中ではアクション比率の高い2話がどうしても順位が上。
「しくじるなよ、犬女」からのチェイス、「ぶちかませ クラウス!」までの流れのスピードと華やかさといったら無かった。
 それを考えると1話は一応世界観の説明しなきゃならない部分が多いし、3話に至っては主戦場がボードゲームなのでアクションシーン自体が無い。
 むしろその不利をわかっていながら、よく「世界と世界のゲーム」をアニメ化するのに踏み切ってくれた。
 とは言うもののやっぱり物足りない。
 原作で私の好きな話だっただけに物足りない。
 ジレンマ!

 でも3話でよかったのは声ですね。
 私、実はアニメで声付いて初めて「クラウス30才未満」に気がついたクチなのですが、またK.Kの声が明らかにクラウスより年上なんですね。声が付いて初めてわかる、K.Kのクラウスに対する保護者意識。あーそっかお姉ちゃん目線で見たら弟みたいな相手に危険地帯への随行頼まれるのは誇らしいし、手の届かんところでボロボロになってきたら泣くわな……。
 でもってお姉ちゃん目線だと思えば彼女がスティーブン嫌いなのもわかるような、気がします。元々嫌いなタイプではあるんだろうけど、クラウスの副官て立場が尚更警戒心を煽るんだろうね。クラウスの保護者としての立場も似たようなもんだし、年も同じ位かな。ちょっとスティーブンの方が若いかな?改めて考えると尚更対抗意識も煽られそうな感じ。
 スティーブン苦労性。

 もちろんEDは何度も繰り返して見ています。
 キャラクターの動きの付け方とか、性格の出し方とか、そういうところまで細かいなあ。
 K.Kの足が高い所まで綺麗に上がるところとか、スティーブンと手をつなぐと照れて距離が縮められないチェインとか、とてもかわいい。
 もちろん一番かわいいのがクラウスであるところが、またポイント高いです……。
 レオくらいのちっこいキャラに、アンバランスとも思える振りの大きいカッコいい動きを混ぜる辺りも、わかっておられると思う次第。
 で、あと間に入るカットの中に入ってる人やモチーフは、そのう今期で全部出せるものなんでしょうか。
 私の読み取りが合っているなら、執事の話、旧ブラッドベリ総合病院の話前後編、そして10巻丸1本分260ページ(=4話分)の話が出ることになりますが、1クールで間に合うんでしょうか。原作通りならツェッド君の登場回も前後編でしょう?オリジナルの話も混ぜてく訳ですし。
 それともコミックスの表紙絵同様「本編に登場しないからこそ描く親心……!」だったりするんか。いやそれはそれでうれしいけど。
 レストラン話とか、チェインのメイン回も見たいんだけどなあ。

 なんにせよこれからが楽しみです!

血界アニメ4話「BLOOD LINE FEVER」感想2015/04/30

 さて。
 結局原作10巻まで全部揃えました。色々ね!語りたいこと出てくると記憶頼みじゃ足りないのよ。

 で、4話。
 なるほど、プロローグの「トーニオ・アンドレッティ最後の19時間」を丸ごと切ったか。惜しいと言えば惜しいけど、時間の枠を思えばあんまり視点変えない方が落ち着きますしね。
 視点の使い方で「見える」という能力の使い方に意識が向くようにできてるのも、好印象。この辺はアニメならではですね。
 思えば「レオナルドが読み取った真名を使ってクラウスが封印」という今後の血界の眷属戦の流れはこの話からだった。レオナルドが真名を読んでいる、ということはむしろ原作より分かりやすい演出になってるんじゃないかな。今原作ひっくり返したら、はっきりレオナルドが真名を読み取っている姿は5巻が最初ですね。
 効果音やBGMの使い方もかっこいいしなあ。
 ことにクラウスの戦闘シーンの入り方。999式もかっちょええですが、その前の一撃でトーニオを粉砕するスピード感は最高で、あの1分足らずのシーンで何だか色々ちょこちょこなかった訳でもない引っかかりを全部帳消しにしてもいいような気さえします。
 うん、まあ。
 例えばごちゃごちゃ言ってる割に息合ってるじゃねーのというシーンだからさ。スティーブンとK.Kが構えから技の発動、残心まできっちり揃えるのは分かるけど。
 やっぱり2人の必殺技の技名は、タイミング分けてもらった方が親切よね……。ヘッドホンじゃないとちょっと辛い。
 それと正直言うと、エイブラムスの台詞がちょいちょい省略されてるもんだから、あのくどさが物足りない。
 荷物のようにレオナルドを担いできて後をギルベルトさんに任す位の扱いから、「神々の義眼」と聞いた瞬間すっ飛んで来て「眼は大丈夫なのかね、次からは眼の為に片腕犠牲にするぐらいの覚悟でいけ!!」とか言いだすシーンはやっぱり欲しかったな。
 そんで「永遠の虚」探査へ同行するに際して「K.Kは捕まらねえしスカーフェイスは腹痛だし、チェインに至っては目の前で消えるし」という他のメンバーの全力の逃げっぷりも欲しかった。
 世界屈指の吸血鬼対策専門家で、正直それに全てを捧げている極端で傍迷惑なところがエイブラムスの楽しいとこであって。
 物足りない。

 んー、でも不満らしい不満ってその位かなあ。見事な回だと思います。オリジナルのところとメリハリもついてたし。13王で来たか、そーか。
 あと、細かい所が細かい。ソニックは飲み会での様子も食料品店でおねだりする様も可愛かったし、「ドラキュラの城/縦溝静止」「ヴァンパイアバスター『Y』」に吹き、「分かっていない。」に悶絶し、何よりコマの一部だった「異様にはしゃぐ旦那」が大写し。見直したら原作通りしっかり鼻歌まで歌ってやがるクラウス……。かわい過ぎか。
 まあクラウスはエイブラムスに懐いてる様子も、心配のあまりブチ切れそうになってiPhone割るところも、正直何やっててもかわいいんですけどね。
 以上、4話感想でした。